思い出深いウサギ達 その4(ビジちゃん)



8/16/26
思い出深いウサギ達 その4 (ビジちゃん)
ビジターセンター側で早朝見つけたウサギは苦しさでのたうち回っていた。身体は痙攣を起こし、なすすべがないように思われた。
亡くなるまで長くないと思われたがその日は土曜日。観光客が殺到する日だ。そのままにしておけず箱に入れて一目につかない場所へ隠した。 何度か様子を見に行ったがかろうじて生きているものの飲むことも食べることも当然できなかった。
翌朝様子を見に行くと驚くべきことにまだ生きていた。が、その様子はとても回復するようには見えず、かといってそのまま放ってもおけず、私達は病院に連れて行くことを決意した。このウサギこそが私達が初めて島から連れ出した救出うさぎ第一号となる。
新幹線の中のビジちゃんと名付けられたウサギは目のそばからウジムシが湧き出し私は必死で指で取り除こうとした。そうする度に顔の皮膚が剥がれていった。絶望という文字が目に浮かんだ。
病院の先生は大久野島のウサギということで冷たかった。治療らしき治療もしてもらえず、入院も拒否された。
帰り道、三原港で大久野島への船を待っている間にビジちゃんは糸が切れるように絶命していった。私の中に言いようのない怒りが込み上げてきた。






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